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運用型広告の歴史について~歴史背景を知ることが理解への近道~

運用型広告の歴史について~歴史背景を知ることが理解への近道~

インターネット広告とは

インターネット広告とは、WEBサイトやメール、SNSを使用し、製品やサービスのマーケティングのために行う宣伝活動を指します。マスメディア(テレビ・ラジオ・新聞)との違いとして不特定多数の消費者だけでなく、特定の消費者に限定的して広告を配信することが可能です。また、広告配信開始後も、データを活用して改善していけることが強みとなっております。

インターネット広告はマスメディアと比較して歴史が浅いですが、2005年以降徐々に規模を伸ばし2019年にはインターネット広告費はテレビメディア広告費を超え、初めて2兆円を超えました。(2019年:テレビ広告費1兆8,162億円 インターネット広告費2兆1,048億円)
中でもインターネット広告費のうち運用型広告費は1兆3,267億円(前年比115.2%)となり、マーケティング活動におけるデジタル領域の役割が一層強まってきていることが考えられます。
過去、インターネット広告はマスメディアに対してプロモーションメディアと区分されてきましたが、インターネット広告の発展に伴い既存のメディアと相互補完する形で進化を遂げています。
今後もメディアとしての規模が拡大していくことが考えられ、注目すべきメディアとなっております。
インターネット広告費推移

インターネット広告費推移[出典:電通 日本の広告費 2020年3月発表情報より抜粋]
出典元:https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0311-010027.html


運用型広告とは

運用型広告とは、どのようなものか想像できますでしょうか。
運用型広告は文字通りに手動または自動で運用する形の広告なのですが、正確には膨大なデータを処理するアドテクノロジー(広告テクノロジー)を活用したプラットフォームを介し、ネットユーザーの広告反応目標に達成するように、リアルタイムに入札額やクリエイティブ、ターゲット等を変更・改善しながら運用し続けていく広告手法を指します。

詳細な定義としては、以下の条件を満たすものが運用型広告と言えます。

1.リアルタイムにいつでも入札額、予算、広告(クリエイティブ)、配信量、配信地域、配信期間、ターゲティング等が変更可能
2.成果型課金の広告(クリック課金、インプレッション課金、視聴課金など)
3.オークション形式の入札と、入札額および品質により掲載順位が決定される概念がある
4.成果を判定するタグ(主にコンバージョンタグ)を挿入可能

上記の定義を再度分かりやすくまとめますと、運用型広告はそのパターン別に配信時間や配信期間、検索ユーザーの属性や地域、PCやスマホなどのデバイスなど細かく調整することが可能等、広告主の目的・ご要望に沿ってカスタマイズして配信することが可能な広告になります。

広告配信パターン

運用型広告における広告配信パターン.


運用型広告の歴史

運用型広告について定義を説明いたしましたので、次に日本におけるインターネット広告の歴史を説明させていただきます。ここでは市場の立ち上げの1995年から直近の多様なデータの活用期まで各変動した時期の特徴を説明いたします。
下記に記載画像はこれまでインターネット広告がマーケットとして辿ってきた歴史を表にしています。
これからの説明は下記の表を見ながら読んでいただけるとイメージしやすいかと思います。

マーケットの歴史

運用型広告のマーケットの歴史

1.1995年~2000年

1996年にサービス提供を開始したYahoo! Japanは当時ユーザーが圧倒的に多く、メニュー的にも「件数」と「効率」が最もバランス良くとれ、極論Yahoo!に出せば他サイトへ広告を出稿しなくても問題ない状態でした。またこの時ユーザー行動の大半はマスメディアを中心に各メディアから「一方的に情報を受け取る」のが主流でした。

2000年に入りGoogleが日本に上陸、「能動的に情報を取りに行く時代」になりました。
TVCMや新聞、屋外広告などで情報に触れたユーザーはもっと深く知ろうと「検索」という行動をとるようになり、ユーザーの検索するキーワードにマッチした広告を検索結果に掲載する広告手法(検索連動型広告、リスティング広告)が台頭してきました。

補足としてユーザーの態度変容モデルAISASでいう“S”が生まれ、全ての広告メディアから発信された情報から、更なる情報を求めたユーザーが検索を行うため広告の受け皿となる「検索への対策」は必須になってきていました。またこの時期に日本で主流のGoogleとYahoo!が揃った形になります。

AISASの行動パターン

2.2005年~2007年

2005年に入りフィーチャー・フォン(通称:ガラケー)が世間に多く普及し、インターネットがいつでも、どこでも、いくらでもといった形で普遍的になりました。結果としてユーザーによる情報発信が活発化、登録情報、投稿情報から大量のデータ蓄積が実現し、趣味嗜好データを元に端末単位でターゲッティング広告が活発化しました。

また、今では当たり前の情報取得ツールとなったソーシャルネットワークサービス(SNS)の元祖mixi(ミクシィ)やGREE(グリー)、モバゲータウンといったものがこのタイミングで登場しました。

3. 2008年~2010年

2008年から2010年はスマートフォン(SP)の登場に伴い、新たな概念「アプリ」の誕生とFacebookやTwitterといった巨大SNSが日本に到来した時期になります。
この時期から運用型広告広告におけるユーザーへのターゲティング技術も進化していきました。具体的にはユーザーの行動に合わせたターゲティングやユーザーの興味関心に合わせた配信が可能になったことが挙げられます。
今まではテキストベースでユーザーに訴求していたリスティング広告の他に、画像で視覚的に訴求するディスプレイ広告が登場しました。ディスプレイ広告につきましては弊社の別コラムにて詳細を説明しておりますので、参考にしていただけますと幸いです。

【コラム】徹底解説!ディスプレイ広告基礎 >>

また本期間はインターネット広告に大きな変化を与えた「広告在庫のオークション化」が始まった期間になります。リーマン・ショックにより職を失った金融工学のエンジニアがインターネット広告業界に流れ、金融取引の概念が広告取引に採用された重要な背景があります。結果として業界全体が発展を迎えたと同時に、プレイヤーが乱立し混沌な状態も迎えました。
下記画像は当時の事業プレイヤーの立ち位置を可視化し表したものです(通称:カオスマップ)。

pchaosmap-2013-autumn-1-638

出典:Display Advertising Technology Landscape
出典元:http://www.slideshare.net/HiroshiKondo/chaosmap-2013-autumn

3. 2011年~2013年

2008年のリーマン・ショックによる影響で、この頃からアドテクノロジーが発展しました。
複数のアドネットワークを束ねて配信を一元管理するDSPという配信プラットフォームが登場し、1インプレッション(広告の表示回数)毎にオークションを実施して広告枠を買い付けする時代になりました。
まさに金融業界のノウハウがインターネット広告に流入した形になります。

広告配信の重要視する箇所にも変化があり、2000年初頭までのメディアの特性やユーザー属性を基にした「広告枠」に出稿するのではなく、ユーザーの属性や興味関心をターゲティングする「枠から人へ」という考え方が重要視させるようになりました。5W1Hでいう「WHO」をWEB上で定義・特定するための手法として着目・重要となったのが、「Cookie」によるターゲティングとなります。Cookieとは「ユーザーがどのページを見て、どのようなアクションをしたのかをブラウザに保持するための情報」のこと指します。

上記のオークションによる広告枠を買い付けと「Cookie」によるターゲティングがこの時期から登場した大きな変化・機能になります。これらは2020年現在でも運用型広告の大きな配信軸として重要な部分に当たります。

オークションによる広告枠を買い付けに関しましては、是非理解いただきたいオークションにおけるツール名称と配信に関わる仕組みがございますので、下記に用語集と仕組みの表を記載します。

・アドネットワーク(AdNW)
複数の広告枠(アド)を束ねたもの(ネットワーク化したもの)。

・アドエクスチェンジ(AdEx)
複数のADNWとDSPという配信システムを「繋いで」「広告配信毎」に取引を行う仕組み。

・Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォームDSP)
複数のADNWを一元管理し配信する広告配信プラットフォームの総称。アドエクスチェンジの在庫に入札を行うために、広告主が在庫の買い付けから配信を一括して管理するためのツールが必要になり登場しました。

・Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム:SSP)
「媒体側の」複数のツール(ADNWやら)を一元管理しコントロールするツールの総称。媒体社の広告枠の販売や収益最大化を支援するツールになります。

・Real Time Bidding(リアルタイムビッティング:RTB)
オンライン広告の入札の仕組みです。広告のインプレッションが発生毎に広告枠の競争入札を行い、ミリ秒の単位で配信する広告を決定します。入札希望者はあらかじめ、ターゲットとなるユーザー属性、広告の掲載基準、掲載面、クリエイティブや入札価格などをあらかじめ設定する必要があります。最終的に媒体・掲載面・ユーザー属性などの条件に合致する入札した購入者(広告主)の中で、最も高く入札した購入者の広告を配信するようになっております。

※Data Management Platform(データサイドプラットフォーム:DMP)
クライアントサイドのデータを統合管理/分析し、様々な打ち手に活かすためのマネジメントツール。顧客保有データや外部データといった既存データをフル活用し、データマネジメントをするのに重要「ビッグデータ」と呼ばれるキーワードもDMPが基本的な概念の根幹を担っています。

広告配信におけるツールとプラットフォームの関係性
上記の表はDMPを除く用語で記載した内容の関係性を可視化したものになります。
この表の中で広告のインプレッションが発生毎に広告枠の競争入札を行い瞬時に配信する広告を決定していることになります。

3. 2017年~直近の動向

2013年頃から「Cookie」によるターゲティングが主流となったことで「誰に」広告を配信するかが重要になり運用型広告は進化、成長を続けてきました。しかし直近、成長してきた中で浮き彫りとなった個人情報・プライバシーに関するデータ処理・管理に対して動きがあり規制の法律が海外を制定されるようになりました。有名なものではIntelligent Tracking Prevention(ITP)やGeneral Data Protection Regulation(GDPR)が挙げられます。

個人情報・プライバシーに関する規制の法律は、世界中で拡大しており今後も規制の幅が広がると考えられます。よって再び広告配信の重点箇所が「人から掲載面」へ回帰していくも十分に考えられますが、最近では対応策としてWebページのキーワード、文意、画像などをAI(人工知能)が自動で解析し、「人」ではなく「文脈に合った」広告を配信する新たな手法が個人情報保護の観点から期待されております。

ITPやGDPR等Cookieを通してのユーザーとのコミュニケーションのあり方に関して弊社の別コラムにて詳細を説明しておりますので、参考にしていただけますと幸いです。

【コラム】ポストCookie時代の広告コミュニケーション >>

まとめ

今回インターネット広告の現状と弊社主要領域の運用型広告の歴史および各種運用システムやツールの解説いたしました。インターネット広告は既存のメディアと相互補完する形で進化を遂げています。特に運用型広告は様々な手法で適切なユーザー・タイミングで広告配信できるよう更新している歴史背景があります。一方では個人情報・プライバシーに関する規制の法律が制定されターゲティングの幅が狭まる可能性を抱えております。
最近ではAI(人工知能)が自動で解析する新たな手法が個人情報保護の観点から期待されており、今後運用型広告は「AIによる機械学習×掲載面」という形で回帰していくものだと私は考えておりますが、皆様はどのようにお考えでしょうか?

今回説明した運用型広告の歴史において短い期間で都度変化は起きてきましたが、マーケターやエージェンシーにおける必要性「変化を機会として捉え、どのようなタイミングでもマーケティングの根本に視点を戻す」ことは変わっていないと考えられます。

本コラムから現在注目されているメディアの運用型広告を知っていただいたうえで、もし配信を検討されておりましたら弊社で広告運用のご支援やコンサルティングが可能です。
お気軽にお問い合わせくださいませ。


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この記事のライター

吉田成孝

吉田成孝株式会社ハートラス

トレーディングディヴィジョン

2019年株式会社ハートラスへ新卒入社。1年目から大手案件の運用コンサル担当として従事し、現在も複数のクライアントの運用の実行・分析に携わる。

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