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広告運用で欠かせないKPIとは

広告運用で欠かせないKPIとは

はじめに

本コラムでは企業のデジタル広告領域のご担当者様向けに、下記2章にわたって、広告運用におけるKPIについて、ハートラスのトレーディングデスクコンサルタント三好が解説いたします。

1.KPIの定義
  1-1.KPIとは
  1-2.なぜKPIが必要なのか
  1-3.KPIがあると何が良いのか

2.KPIの効用
  2-1.KPI設定の考え方
  2-2.KPIに対する進捗管理の考え方

1.KPIの定義

1-1.KPIとは

KPI達成プロセス

まずはKPIを定義づけるところから始めていきましょう。

「KPI」(Key Performance Indicator)とは?

日本語では「重要経営指標」「重要業績指標」などと訳されます。目標値に対する状況を示す定量的な指標として扱われることが多いです。

「KGI」(Key Goal Indicator)との関係性は?

日本語では「重要目標達成指標」などと訳されます。
KPIは、最終目標達成の指標であるKGI(Key Goal Indicator)の達成につながる中間指標としての役割を果たします。

例えば、KGIが売上として考えていきますと、
売上=顧客数x顧客単価 となり、
売上(KGI)達成のためには、それを構成する顧客数・顧客単価をKPIとして設定し、達成する必要があります。KGIの指標を要素分解していくことで、KPIが明確に見えてきますね。

つまり、KPIとは最終目標達成のために達成すべき、定量的な中間指標と定義できます。
この定義は、運用型広告に限らず、すべてのビジネスにおいて共通だと考えます。
逆に、KPIの達成なくして、KGIの達成はないということですね。

1-2.なぜKPIが必要なのか

KPIの必要性

前章にてKPIの定義についてお話ししましたが、定義が明確になることでおのずとなぜKPIが必要なのかも明確になると思います。
簡単に述べますと、KPIの存在価値は下記2つの理由に集約されていると考えます。

理由①:広告配信において、必ずKGIがある
KPIが必要な第1の理由は、「達成すべきKGIがある」からです。
前章のKPIとKGIの関係性を踏まえますと、逆にKGIがなければKPIも必要ない、ということです。
しかしながら、自明すぎるかもしれませんが、運用型広告配信において企業様が全くの無目的で実施するケースは皆無に等しく、何らかの目的(目標)があって実施することを考えますとKPIは設定必須です。

理由②:広告配信において、必ず予算に上限がある
KPIが必要な第2の理由は、「予算に上限がある」からです。
もし広告配信に使用できる予算が無限にあれば、効果改善につながり得る施策をすべて、抜け漏れなく優先順位なく実行することが可能ですが、現実はそうはいきません。
限られた予算の中で目標達成するためには、考えられるあらゆる施策の中でどこに、どのような優先順位でどの程度の予算を投下するか取捨選択しなければなりません。そこでKGI・KPIの存在価値が生まれるわけです。

1-3.KPIがあると何が良いのか

ここまで、KPIの定義と、なぜKPIが必要なのか、を説明しました。
KGIを達成するための定量的な指標としてKPIが存在することで、具体的にどのような利点があるのでしょうか。

KPIの利点

利点①:達成進捗が可視化できる
前章にて、限られた広告予算の中でKGI・KPIの価値があり、効率的に施策を実施することでKPI達成につながるということが明確になりました。
例えばKGIを設定していてもKPIが不明確な場合、確かにKGIの「達成」か「未達成」は明らかになりますが、「達成の進捗(着地)が何%か?」「各施策において達成度合いはどう(だった)か?」は不明です。
ただKGIを達成したかどうかではなく、その中で各KPIをどれくらい達成したか、に着目することで、事前に設定されたKPIの正確性、各施策の効用や評価を正しく判断できると考えます。

利点②:次回以降、同様の目的で広告配信を行う際の経験値となる
利点①の、達成進捗を可視化することによって事前に設定されたKPIの正確性、各施策の効用や評価を正しく判断できることと重複しますが、広告配信においてKGI・KPIの振り返りは必須です。各KPI達成のために実施した施策がどうだったかを知ることは、単に広告配信が成功か失敗か判断して終わるよりも、ずっと学習効果は高められます。1度限りのプロモーションもあるかもしれませんが、多くのケースは複数のトライがあるものかと思います。運用型広告に関しても、目標達成に向けて、過去実績をもとにPDCAを回して改善していくことが求められます。KPIを明確にし、経験値獲得の効果が高い広告配信にすることは、次回以降のさらなる効果最大化、もしくは挽回に役立つでしょう。

利点③:広告運用の意思決定に役立つ
当然、広告配信の過程において運用者はKPI・KGI達成のために日々チューニングを行うわけですが、KPIが確立され、各施策の進捗が明確になることで、おのずと打ち手の優先順位が決まります。KPIが、常に運用者の意思決定の根拠になりますし、関係者に対し合理的に説明できるものになります。

2.KPIの効用

2-1.KPI設定の考え方

KPIの設定方法のコツとして様々なコンテンツがネット上であふれていますが、共通して用いられている概念がございます。それが「SMART」です。各項目を具体的に見ていきましょう。

SMART

S:Specific(具体的に)
ここでの「具体的に」とは、「数値化する」という意味です。
先章で、KPIとは最終目標達成のために達成すべき、定量的な中間指標と定義しました。見る人によって解釈が変わらない、誰が見ても同じ理解ができる具体的な数値で設定しましょう。

M:Measureable(測定可能)
S(Specific)の「具体的に数値化する」とつながりますが、その数値は何で測定するか(例:プラットフォーム上での数値なのか、計測ツール上での数値なのか)、測定方法も定められていると尚良いKPIであると言えるでしょう。

A:Achievable(達成可能)
設定されたKGI・KPIに実現可能性があるか、ということです。この点で誤ったKPI設定をするケースが最も多いと感じます。
初めて取り組む広告配信のプロモーションでは特に当てはまることかと思いますが、実施したことのない施策の可能性を完璧に見通すことは正直難しいため、最初から実現可能性を担保したKGI・KPIを設定することは簡単なことではありません。しかし、非現実的なKPI設定はKPIの意味がありませんし、士気も上がらないでしょう。実現可能性を担保したKPI設定のためには、広告配信を重ねる中でKPIそのものの修正が必要になるケースもありえます。

R:Relevant(関連性)
設定されたKGI・KPIに一貫性があるか、ということです。
運用型広告は企業様のマーケティング活動の1つの手段に過ぎないため、KGIに関しても階層構造になっています。マーケティング全体のKGI達成のために、運用型広告のKGIが設定され、その達成のためにKPIが設定され、という流れで、すべての階層のKGI・KPIが整合性を持った関係である必要があります。

T:Time-Bound(期限)
設定されたKGI・KPIを(いつから)いつまでに達成するか、ということです。
明確に期間を設定することで、目標の達成・未達成の判断が明確にできるようになります。

デジタル広告の一般的な指標

運用型広告では、ユーザーの行動プロセスごとに、一般的に下記のような指標を注視していきます。
運用型広告KPI

例えば、成果として顧客数にKPIを置いた場合、見るべき指標は量の指標であるCV数です。しかし、流入数が少ない場合はCV数を最大化することが困難なため、Click数を指標に置き換えて流入数を増やすことに注力します。
このように重点KPIからさかのぼり、改善ポイントを発見することも視野に入れておく必要があります。

広告運用におけるKPIの具体的な設計方法

KPI設定の際、前コラム「初心者必見!リスティング広告基礎」の中でもご説明しましたが、「配信手法ごとの目的・KPIを明確に立てること」が各配信手法の正しい評価をするために重要です。
一般的なKPI

正しく設定されたKPIに沿ったモニタリングを実施し、より正しい運用判断を行っていきましょう。

2-2.KPIに対する進捗管理の考え方

KPIを管理する目的を改めておさらいすると、大きく以下2つです。

1.KGIの達成度、達成に向けた各KPIの進捗を把握する
2.KGI・KPIに実現可能性があるのか見極める

関係者全員が、目標に対して現状どうなのか把握することが大義になりますが、その進捗を浸透・共有させるためにはKPIを管理する事前のルール設定が必要です。
KPIモニタリング

展開:KPIの達成度・進捗の見える化
運用者と担当者は、KPIの進捗をモニタリングして適宜PDCAサイクルを回しながら目標達成を目指しますが、認識の統一のためには、共通の可視化したデータが必要です。事前にKPIの達成度・進捗状況をどのように表記するか、どのようにアウトプットするかを決めておくことでスムーズな共有が可能になると考えます。多くの場合、レポートやレビューでのご報告になりますが、関係者が複数名の場合、ダッシュボード等のツールを導入することも組織内共有の手助けになるでしょう。また、再掲になりますがKPIの達成度を可視化することが、運用者の意思決定にも役立ちます。

運用:振り返りの場の設定
展開できるアウトプットの形が固まれば、次は振り返りの場の設定です。
週次なのか、月次なのか、半期なのかはその時の状況によって柔軟に変える必要はありますが、各サイクルの振り返りで誰が出席し、指標に対してどのように役割を持ちマネジメントしていくか、事前に決めておくことでよりスムーズな運用が実現できるでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。本コラムでは運用型広告で肝とも言えるKPIの定義から必要性・利点、そして設定と進捗管理の考え方を解説いたしました。
再掲になりますが、KPIの定義や存在意義というのは非常に特定の要素に集約され、シンプルな概念です。それと同時に、ある要素に集約されるからこそ重要なポイントになっています。
本コラムの内容を踏まえ、自社のKPI設定を振り返っていただき、今後のさらなる効果的なKGI・KPI設定に活かしていただけますと幸いです。

この記事のライター

三好智也

三好智也株式会社ハートラス

トレーディングディヴィジョン リーダー

2017年に株式会社ハートラスへ新卒入社。1年目から大手案件の運用コンサル担当として従事。2018年全社新人賞獲得。2019年8月より広告運用チームリーダーに昇格し、広告運用経験・ノウハウをもとに、新人教育やコンサルティングも実施。

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