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デジタル時代のブランディング

デジタル時代のブランディング

インターネット利用が加速し、世の中のありとあらゆるものがIoT化してきている現代においてデジタル施策=ダイレクト施策(獲得施策)であり、ブランディングはテレビCMを中心としたマスコミュニケーションとの考え方では太刀打ちができなくなっています。

本コラムでは、デジタル時代に求められるブランディングのなかで、ユーザーへの情報伝達のステップとそれに紐づく施策を解説します。

そもそもブランド/ブランディングとは

ブランディングという言葉は、マーケティングに携わっている方からすれば一般的なワードかと思います。しかし言葉の定義は曖昧で、人に説明するときにちょっと困る方が多いのではないででしょうか。
まずは、「ブランディングとは何か」について解説します。

1-1.ブランド/ブランディングとは

「ブランド」という言葉の語源は、中世ヨーロッパで家畜に使用していた焼印「Burned」が由来とされております。自分の家畜と他の家畜を焼印をもとに”区別”したこから、商標等を「Brand」と呼ぶようになりました。

上記ブランドの語源から考えると、他の商品との”区別”、”差別化”をさせることを「ブランディング」と定義出来ます。

ブランドロゴ、商品デザイン、商標等様々なものが合わさって1つのブランドを構築し、そのブランドをユーザーに認知してもらい、実際に利用してもらい他の商品との差別化をしていくことがブランディングになってきます。

1-2.ブランドはユーザーとの間に成り立つもの

ブランドは企業のブランディング施策で打ち出した情報で成り立つものではなく、ブランディング施策によって打ち出した情報、商品をユーザーが認知、体験して構築されていくものだと考えております。

弊社と業務提携をしている小霜オフィス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:小霜 和也 以下小霜オフィス)の小霜さんの著書「ここらで広告コピーの本当の話をします」の中ではブランドは以下のように定義されております。

「ブランド=気持ちのいい記憶」

なぜ上記のような定義になっているのか、例があります。
ニューヨーク大学の心理学チームが以下のような調査を実施しました。
ロゴを隠した状態とロゴを出した状態でコカ・コーラとペプシどちらが美味しいか、アンケート調査を実施し結果は以下になりました。

 ・ロゴを隠した状態:ペプシが美味しいと回答した人が多い結果
 ・ロゴを出した状態:コカ・コーラが美味しいと回答した人が多い結果

上記の結果からわかることは、コカ・コーラが長い年月と多額の広告費を投じて構築した清涼飲料水でのポジショニングと、ユーザーがコカ・コーラを飲んで体験した「気持ちのいい記憶」がブランドロゴを通して呼び起こされて、「コカ・コーラが美味しい」との回答になったのです。

上記の結果からも企業からの情報だけではなく、ユーザーの利用体験や感動、記憶の間にブランドが成り立つといえると思います。
コカコーラ調査

デジタル時代に起こっていること

従来までのブランディングではマス施策等でキャッチーなCM、感動的なCMを投下すれば一定のユーザーに届き、ユーザーが商品やサービスを利用してブランディングが成立してきたかもしれません。しかしデジタル時代ではこれまでのマス主軸のブランド施策だけでは太刀打ちできないことが多く発生しております。

デジタル時代に起こっていることに関して少し解説します。

2-1.情報が届きにくい

インターネット、スマートフォンの普及で誰もが世界中のありとあらゆる情報に触れられるようになりました。テレビや新聞などの情報に加えて、インターネット上ではSNSやキュレーションメディア等に大量の情報が溢れております。
平成23年時点での調査結果になってしまいますが、実際に閲覧されている消費情報量に対して、流通情報量は26,516倍もの量にのぼっているとの調整結果も出ております。(平成23年8月 情報通信政策研究所調査研究部)
人間の消費情報量が爆発的に飛躍することはないため、世の中の情報がほとんど消費されていない状況は現在ではより加速していることが想定されます。

上記の様な状況の中で、単にテレビCMを投下して「〇〇GRP分の認知が取れた」、大手インターネットメディアの純広告枠で「〇〇imp取れた」との考えのもとブランディング施策を実施しても、情報は消費されていないことが多いため本質的なユーザーとのコミュニケーションが図れているとは言えないのではないかと思います。

2-2.ユーザー発信の情報量の増加と価値

情報量の増加の大きな要因の1つにSNSの登場があるかと思います。ユーザーはSNS上で自分の体験や考えを自由に投稿し、その情報は友人等に拡散されます。皆さんも友人のSNS投稿をみて共感、意見等をしたり、さらには何か商品を買ったりした経験があるのではないでしょうか。
このように、SNSの台頭により企業やメディアからの情報だけではなくユーザーからの情報の量や価値が高まっています。
実際に心理学でも「みんなが使っているから良いもの」「周りが勧めるからいいもの」とヒトが認識するバンドワゴン効果と現象があります。
ブランディング活動の中でもSNS上で話題化を図りユーザーをハブとして企業の認知や好意度の醸成を図ることに注力している企業も増えております。

また、これらのユーザーのコメントは購買促進や認知拡大だけではなく、ブランディング施策の分析にも活用が可能です。
これまでは、ユーザーの”生の声”を聞くためにアンケート調査やパネル調査等を実施して商品開発やプロモーションのPDCAに活かしていたかもしれません。これは費用とコストも掛かりますし、何より調査対象はアンケートを取られるとの立場での回答になり、実際に感じていることから少しズレる回答になっている可能性があり本質的な生の声とは言い切れない回答かもしれません。
一方で、SNSの声の分析は費用もかからない(ツール利用をする場合は別)ですし、ユーザーにはアンケート対象との認識も無いので本心でのコメント=生の声を抽出することが出来ます。

実際にアパレルメーカー様で、ある新商品のプロモーションにて、デザイン性を打ち出してプロモーションをしていたが、SNSでのコメントを分析してみるとユーザーからは着心地などの機能性に対しての良い反応があり、訴求内容を機能性に変更した結果、CTRやCVRが改善した事例もあります。

デジタルのブランディング活用

3-1.マスとデジタルを正しく使い別けることが大切

1、2で述べたことをまとめます。
1.ブランドは気持ちのいい記憶であり、ユーザーと企業の間に形成されるもの。単にブランドが打ち出した情報だけが全てではない。
2.インターネットの普及により情報が届きににくくなりつつも、ユーザー発信の情報の増加と価値が向上した。

企業が発信する情報をユーザーに認知してもらい、発信してもらうには情報を”自分ゴト化”してもらうことが重要だと考えています。
しかし、前述しているように簡単に情報が届かない、処理されないデジタル時代においてユーザーとのコミュニケーションに頭を悩ませている方も多いと思います。
これはユーザーとのコミュニケーションのステップの切り分けとそのステップ毎の施策がうまく機能していない、そもそもステップを把握できていないことが原因かもしれません。

認知=マス、獲得=デジタルとの考えではなく、ユーザーとのコミュニケーションフローをステップに分け、紐づく施策と効果検証の分析を統合的に実施していくことで、ユーザーに情報を自分ゴト化してもらい、体験を発信してもらいそこにブランドが構築されていくようなブランディング施策が重要になると考えております。

SNSしか利用していないユーザーにはマスではリーチ出来ないですし、アプリ利用もLINEなどのコミュニケーションツールの利用に限定しているユーザーにはデジタル広告は効果が薄いからです。
加えて、マスとデジタルの施策を併用していても効果検証が出来ていないと予算配分が適切ではなく広告の無駄撃ちが発生してしまうため施策と平行して分析によるマスとデジタルの予算配分も重要になってくると考えています。

3-2.コミュニケーションの3ステップ

情報が自分ゴト化されることをステップのゴールと位置づけた際に他の2つのステップは「世の中ゴト化」「身内ゴト化」であると考えています。

世の中ゴト化:テレビCMやウェブメディアで取り上げられていたり、メディアの純広告枠など視認性の高い場所で情報に触れられ、ユーザーとしては世の中的盛り上げっているような認識ができる状態。
身内ゴト化:一部のユーザーで話題になっていることや、インフルエンサーなど自分がSNS等で情報を発信していて、情報がユーザー周辺で盛り上げっている状態。
自分ゴト化:ユーザーが自ら検索して情報を収集している、情報を自ら発信している状態。

ステップ
上記状態は、企業の発信での情報伝達であれば、「世の中ゴト化」→「身内ゴト化」→「自分ゴト化」の順に情報が伝達されますが、SNSの活用が活発で、SNSで話題のことがテレビ番組等で取り上げられる時代ではユーザーがハブとなって情報が伝達されることも多くあります。いわゆるバズです。その際には企業の情報とは逆の流れで情報が伝達されます。

「自分ゴト化」→「身内ゴト化」→「世の中ゴト化」

これは、情報が自分ゴト化してもらい、ユーザーが自ら情報を発信してくれそこにブランドが構築され、さらにはそのブランドがバイラル的に広がっていく状態です。これはブランド構築=ブランディングの成功といえる状態であると考えています。

3-2.コミュニケーションの3ステップごとの施策

3ステップ毎にどんな施策があるか整理します。

1.世の中ゴト化

ここで重要になることは情報の露出度だと考えています。そのためリーチが獲得できる施策が効果的であると考えています。リーチをなるべく多くとって世の中で話題化してるように捉えてもられるようにすることが重要なため、ご予算を多く必要とする施策になるかと思います。

施策例:テレビCM、大手ニュースメディアやSNSでの純広告、運用型広告でもなるべくターゲティングはかけずに広くリーチを取る施策。
KPI例:リーチ、クリック数、動画視聴数などのボリューム

2.身内ゴト化

ここで重要なのは身近なヒト、信頼のおけるヒトをハブにできるかだと思います。

施策例:SNS等でのリツイートキャンペーン、インフルエンサー施策などの身近なヒトや信頼のおけるヒトから情報が伝達されるような施策。
KPI例:エンゲージメント

3.自分ゴト化

ここではユーザーに自社や商品への興味を持ってもらい、能動的に行動してもらえるかが重要である考えております。

施策例:ターゲティングを絞った運用型広告、ユーザー参加型のキャンペーン施策、リスティング広告・SEO(能動的検索の受け皿の役割)、CRM施策。
KPI例:ブランドリフト、サーチリフト、購買数、SNSでのコメント数

ステップ施策

上記の施策やKPIが全てではないと思います。重要なことは大量リーチを取るだけではユーザー認知やブランディングは成功せず、ステップを切り、目的を分けて連動させてユーザーに伝達していくことです。

3-3.効果分析と予算の再配分

ブランディングの目的はブランドを構築することですが、最終的に売上に寄与していなければ広告費の無駄打ちになってしまいます。弊社では主に重回帰分析を活用したFigA(フィーガ)というサービスを提供しています。

これは様々施策がどれだけ売上等に貢献しているかを分析し、予算の配分やブランディング施策の再検討への示唆をする分析サービスです。

ステップを切ってしまうと各フェーズの施策が分断されてしまい効果検証が煩雑になってしまうことや直々の売上に寄与が難しい認知施策=本コラムでは世の中ゴト化を目的とした施策の予算縮小等でブランディングの全体最適化が機能しないことが多くあります。
目的毎にマスとデジタルを併用して、施策を実行する上ではそれらをしっかりと統合的に分析し、PDCAを回していくことも重要になると考えております。

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さいごに

本コラムに記載したステップを考えることや分析はブランディング成功の上で考えることの1つに過ぎず、事前の綿密な戦略立案や実際にユーザーの興味喚起、醸成をするクリエイティブ等も非常に重要な要素であると考えております。

弊社では広告の戦略立案、バイイング、運用だけでなく提携企業と連携してブランディングクリエイティブ等のサポートも可能です。本コラムで少しでも弊社に興味を持っていただき、詳しく知りたい方はサービスページをご覧ください。


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この記事のライター

歸山駿斗

歸山駿斗株式会社ハートラス

セールスディヴィジョン シニア

2017年株式会社オプト入社。同年株式会社ハートラスへ出向。出向当初からこれまでに多業種の広告プロモーションの戦略立案、プロモーションディレクションに従事。2019年シニアセールスに昇格。同年1Q・4Qの全社MVP受賞。

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