Googleデータポータルのダッシュボード構築方法 ―Googleアナリティクス篇―

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本記事では、Googleデータポータルの特徴や導入方法を紹介し、後半ではダッシュボードの構築方法を説明します。
目次
Googleデータポータルはどんなツール
Googleデータポータル(旧 データスタジオ)はGoogle社が提供し、無料で利用できるBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。Googleアカウントを持っていれば誰でも利用することが可能です。クラウドベースで、Googleアナリティクス、Google広告、Google スプレッドシート、Googleサーチコンソール等Google社開発した18個のサービスとの連携が可能です。
更に、多数のパートナー企業が開発した256個のツールとの連携も可能であり、独自のコネクタを作成する機能もあり、あらゆるデータを集約し、表やグラフで見やすくデータを可視化することができます。また、リンク共有やGmailアドレスで複数のユーザーへ共有することが可能であるため、リアルタイムに更新される資料としても活用でき、PDCAサイクル推進に役立てることができます。
Googleデータポータルの導入方法
Googleデータポータルの利用にはGoogleアカウントの登録が必要です。権限の付与や共有もGoogleアカウントを利用します。ただ、安全性の配慮が必要であり、社外秘のデータを扱う場合は、個人のGoogleアカウントよりセキュリティ性能が高いサービス「G Suite」のアカウントの利用を推奨します。
利用規約への同意
初めて使うときは規約への同意が必要です。利用規約への同意、メール配信等の設定を終えましたら、ホーム画面に遷移します。
ホーム画面の各機能
ホーム画面の各部分の機能について、ホーム画面のキャプチャーを用いて説明します。
新規作成:データポータルロゴの下にある「+」のボタンをクリックすると、ファイルタイプの選択肢が表示されます。それについては記事の後半で説明します。
検索機能:Googleデータポータル内のファイル名で横断的に検索できます。
ファイルタイプ:Googleデータポータルでは、下記の3種類のファイルが作成できます。
「レポート」は、データを表やグラフ等の形で視覚化したアウトプットであり、ダッシュボードとしてよく使われています。
「データソース」は、図表等に使用されているデータが格納され、データのモジュールを管理する役割を持っています。
「エクスプローラ」は、「レポート」内で発見したある指標の変化から、その変化の原因を分析するための手法です。例えば、あるページの訪問数の変化が激しかったので、該当ページのみをランディングページと設定し、フィルターをかけたままクエリのクリック数、クリック率等の推移を同時に見られます。複数のグラフを1度に変化させることにより、多角的に要因を調査する機能です。
テンプレート:テンプレートギャラリーでは、公開されているレポートのテンプレートが多数存在し、そのまま利用してレポートが作成できます。目的に合わせて、複数のテンプレートの良いポイントを吸収して自分のレポートに活用することも一つの方法です。
ファイルリスト:Googleデータポータルで使っていたファイルを全部リストアップされています。「名前」、「オーナー指定」、「閲覧状況」等で表示順を並び替えることが可能です。
実践:Googleアナリティクスのダッシュボードの作成
ここから、Googleアナリティクスとデータの連携方法をご紹介します。
画面の基本的な操作方法やデータ連携の方法、基本的なグラフや表の作成方法について紹介していきます。
基本パーツの作成方法
真っ白なレポート画面上で、連携するデータを選択します。今回はGoogleアナリティクスのダッシュボードを作成しますので、Googleアナリティクスを選びます。続いて、Googleアナリティクスの該当アカウント、プロパティ、ビューを選択し、追加ボタンをクリックするとデータ連携が完了します。
グラフと表の作成方法は同じ仕組みでディメンションや指標を選択していきます。ここでは簡単なグラフを作成してみましょう。「グラフを追加」ボタンをクリックすると、該当のタイプを選んで、レポートの適切な位置にドラッグ・アンド・ドロップします。
グラフが生成されたら、中身のデータを編集していきます。最も基本なのは、①ディメンション、②指標、③並び順、④期間の指定です。下記のキャプチャーを用い、順番通りに説明します。
ディメンションと指標の選択は、手入力かぶら下がりメニューから選択することも可能です。並び順の指標を選択可能です。デフォルトの日付期間は過去28日間となっていますが、カスタムの場合「▽」をクリックし、ぶら下がりメニューから様々な設定ができます。
続けて、表グラフを組み合わせたダッシュボードを作成してみましょう。ダッシュボードに取り入れる指標は読み手の目的に合わせて粒度を決めるのがポイントです。リードタイプのサイトに対して、全体状況の把握、重点セグメントの抽出、及びKPIの達成状況の把握の順にレポートを組み立てます。
サイトの全体状況
全体状況のレポートに5つの部分を分けて説明していきます。①はGoogleアナリティクスのデータ管理と表示期間のコントローラーです。②はディメンションを絞るフィルターをカスタマイズします。③はメインビューであり、流入指標、行動指標及び目標指標の3パーツを分けてサイトの状況を可視化しています。④はランディングページのリストです。⑤はデバイス別の数値を提示しています。
Googleアナリティクスのデータベース及び計測期間のフィルターを設置します。メニューの「コントロール追加」をクリックし、プルダウンリストの一番下にある「期間設定」と「データ管理」をそれぞれレポートにドラッグ・アンド・ドロップします。
セグメントフィルタはページ内で複数設置が可能となります。セグメントの表示形式にはいくつか種類がありますが、今回はプルダウン形式を使用しています。「コントロール追加」から、「プルダウンリスト」をクリックし、ページ内に設置してください。セグメントフィルタを使い分けることで、サイト全体の数値の他にも、デバイス別、チャネル別、メディア別、及びキャンペーン別等のセグメントでモニタリングすることが可能です。重要なセグメントは設定すると良いでしょう。
サイトの流入状況、訪問者の行動、そしてKPIの達成状況がひと目でわかるように、中央部にスコアカードとグラフをセットで設置します。メニューの「グラフを追加」をクリックし、スコアカードを選択し好きな場所にドロップします。流入状況に関してセッション数、ユーザー数、新規ユーザー数及びページビュー数等がよく使われているので設定します。また、Googleアナリティクスの指標に関して不明点がありましたら、こちらの記事【初心者向け】Googleアナリティクスの使い方、基本な分析方法をご参照ください。
「グラフの追加」からグラフの種類を選択し、レポートにドラッグします。ここでは複合グラフを使用し、ディメンションに日付を、指標にはセッション数とページビューを追加します。グラフが日付順になっていない場合は、並び替えディメンションを日付、昇順を設定してください。
ランディングページ別のセッション数、コンバージョン状況を纏めています。ページまたはディレクトリ単位の閲覧状況とコンバージョン状況の把握により、サイトの問題点について仮説が立てられ、改善策に繋がります。Googleデータポータルでは、すべての表において並び順を変えたい時に、列をクリックすると自動的に更新されます(エクセルのフィルターのような使い方です)。
また、デバイス別に、セッション数、ページ別訪問数等の指標も表示できます。サイトの訪問者がどんなデバイスを使っているのか把握することで、UXの改善やデザインの最適化等に役立ちます。
重点セグメント:流入経路別
グラフと表の追加方法は同じですが、指標の選定について説明します。全体状況のレポートの次に、チャネル別のセッション数推移グラフを提示します。ディメンションに「年月」を入れ、内訳のディメンションに「デフォルトチャネルグループ」を指定します。指標はセッション数もしくはページビュー数が良いでしょう。
棒グラフは全体の増減だけではなく、各チャネルの増減も可視化することが可能です。このグラフにより季節ごとの波や、マーケティング施策の効果等の要因仮説が立てられ、次の施策にヒントを与えます。
下部の表では、月別の数値を記載しているので、正確なデータ確認も瞬時にできます。
KPIの達成状況:コンバージョン状況
各ページの閲覧状況とKPI達成状況の2つの指標を可視化するために、バブル表を用います。縦軸にセッション数を、横軸にコンバージョン率をセットします。バブルは上位に位置するほどセッション数が高く、右に位置するほどコンバージョン率が高いことを示しています。バブルにマウスオンすると、ページのURLが表示されます。それによって、重要ページの特定、他のページの改善目標の設定に役立ちます。
下部の表では、ランディングページ別の指標が集計され、正確な数値も確認できます。
以上、ダッシュボード作成でよく使われているグラフや表の追加方法をご紹介しました。ダッシュボードには殆どのGoogleアナリティクスのデータを取り入れる事が可能となりますが、作成の目的、読む側の興味関心点、そしてダッシュボードをチェックすることによって得られるヒント等を加味して、必要なデータを組み立てるのがポイントです。
まとめ:
最後に、Googleデータポータルのダッシュボードはリアルタイムにデータが反映され、カスタマイズしやすいので、日々のモニタリングに適しています。簡単に閲覧権限を付与することが可能なため、データ更新の手間を削減し、報告資料としても活用することが出来ます。
使い方に関しては、公式のサポートデスクを確認することが可能です。
英語版のヘルプデスクはこちらです。
英語版では、使用者同士のコミュニティが設けられています。ヘルプに言及していない問題に関して、Google社のスタッフもしくは熟練ユーザーが回答してくれる場合もあります。トラブルがあった時に活用してください。
計測や広告配信のトラブル、外的要因による数値の変化は日々モニタリングをしていないと対策が後手になってしまいます。そのため、重要指標を日々確認できるよう、自社サイトに必要な指標をダッシュボードで構築し、確認することをおすすめします。弊社ではダッシュボード構築やそのサポートをご提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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