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オンラインセミナーレポート「ディノス・セシールに聞く!インハウスの成功ポイントとは?~これからのインハウスの在り方~」

オンラインセミナーレポート「ディノス・セシールに聞く!インハウスの成功ポイントとは?~これからのインハウスの在り方~」

7月8日に行われた、ハートラス主催のオンラインセミナー「インハウスの成功ポイントとは?〜これからのインハウスの在り方」。今回は、株式会社ディノス・セシールでCECO(Chief e-Commerce Officer)を務める石川 森生氏をお迎えし、前回同様、ハートラスからは取締役CSMOの高瀬が参加。2020年の初めからスタートしたハートラスのインハウス支援について、質疑応答を交えながらパネルディカッション形式で対談を行った。
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「経営×マーケティング」が可能にしたインハウス化

新卒でSBIホールディングスに入社後、通販会社2社にてマーケティングに従事してきた石川氏が、同じく通販事業を展開するディノス・セシールにCECOとしてジョインしたのは2016年のこと。以来、経営に近い立場からEC分野で社内改革を進めてきた石川氏に変化が訪れた。「入社してからのミッションであったEC売上の向上は2年ほどで体制構築ができ、今度は5年後、10年後を見据えた企業や事業の課題を解決するための時間がとれるようになった」。

「その中で目をつけた課題の1つが運用型広告。広告運用にかける予算は販管費の中でもかなり大きく、それを少しでも減らしたかったのがインハウス化の理由」と石川氏は続ける。一方で、内製化せずとも広告の成果自体に問題はなく、むしろ好調だったという。「コストをかけていた分、成果も大きく出ていた。代理店の対応も十分かつ丁寧で、且つ弊社側のメンバーのリテラシーも高く、毎月の数字状況も改善していた」。

うまく行っている状況だからこそ、大きな変化を起こすならこのタイミングだ、という判断で、広告運用のインハウス化が決定され、その支援をハートラスが行うことになった。
「うまくまわらなくなってからでは大きなプロジェクトを仕掛け、変化を起こすのは難しい。最も伸びているタイミングに次の手を打つのは経営の定石だ。インハウス化することで一つひとつの短期的なKPIが下がったとしても、運用にかかるコストの削減ができれば、結果的にKPIにはプラスになる。今がチャレンジをすべきタイミングだと判断し、自分の責任で進めた」と石川氏。「財務諸表を見ての、完全に経営方針としての決定だ」と高瀬が言うように、経営視点での大きな決断だった。

インハウス化は全事業同時に始めない

リスクも想定してのインハウス化だったが、もちろん最大限のリスク分散は事前に行った。「さすがに運用型広告のすべてをいきなりインハウス化するリスクは負えなかったので、ディノスとセシールという2大ブランドのうち、まずはディノスの運用型広告のインハウス化から始め、その成功パターンをセシールに展開する、というかたちにした」と石川氏は説明する。

こうしたリスクマネジメントの観点を考慮した改革は、一見石川氏がCECOだからこそ可能に思えるが、「もし意思決定できる立場でない場合、経営層に稟議を上げる必要があるが、その際は特にリスクの説明をしっかり行う。現場のメンバーからの提案は彼らがよいと思うから当然上げられるわけで、そのメリット理解は経営者にも難しくないだろう。経営者が気にするのはやはり、リスクが許容できる範囲かどうか。リスクを洗い出し、説明し、対策まで用意して伝えれば経営者も同意して改革に着手しやすくなる」と説明する。

「代理店との関係もスムーズに折り合いがついた」と高瀬も驚くように、インハウスを開始してからも、代理店との良好な関係は崩れることはなかった。「現場のメンバーの代理店との関係構築が良好だったことが大きい。代理店の方々とも一つのチームとして動いていただいていたので、弊社との意思疎通が大変スムーズに進められた。」

定量評価ではなく、定性評価

リスク以上に懸念されていたのが、社内メンバーにかかる負荷だった。「スキル的にはまったく問題ないメンバーが揃っていたが、それまでのやり方を壊して再構築するというオーダーには心的負荷がかかる。現状のままでうまくいっており、極端にいえば、彼らからするとインハウス化は必要がないのだから当然だ。インハウス化を実行するにしてもKPIを下げないよう気を遣うあまり、慎重過ぎる動きになってしまう」と石川氏。

プロジェクト進行中、常に石川氏が気をつけていたのが、そんなメンバーのメンタルフォローだ。「彼らに信じてもらえるかどうかは別問題として、失敗してもいいとメンバーには言い続けている。細かいプロジェクトの内容は現場に一任し、私はそれだけをひたすら言い続けた。あくまで今回の目的は、KPIを上げることではなくインハウス化を完遂させること。ECの広告担当はどうしても目に見える数字で評価されてしまうが、そうではなく、今回は定性評価を取り入れることをマネージャーとも事前にすり合わせていたので、メンバーは臆することなくプロジェクトに邁進できたのではないか」。

こうしたコミュニケーションでのケアは、ハートラスが同席する場でも行われた。「同じプロジェクトに参加するメンバーとして、実情をハートラスにも伝える意図もあったが、ハートラスという社外の関係者がいる場でも「失敗してもいい」と強く伝えることで、社員に私の本気を伝えたかった」と石川氏。

業務は完全分担、目的は徹底共有

現在、ディノス・セシールにはハートラスのインハウスコンサルタントが週2日フル常駐しており、年初から始まったインハウス支援も徐々に佳境にはいっている。コロナの影響もあり、インハウス化による正確な成果判断はしづらい状況にあるが、概ね成功といえるのではないだろうか。その成功の秘訣として、石川氏はチーム体制を挙げる。

「最初にECチームをつくる際に、機能別に組織を組成していった。そのうち広告担当者は2名だけ」と石川氏。「最初の顔合わせの際、この事業規模でそれだけの人数とは驚いた」と高瀬もいう。あらかじめフロントに立つ担当者を最小に絞っていたからこそ、プロジェクトが円滑に進んだわけだ。

ただし、関わるメンバーはもっと多い。運用型広告のインハウス化プロジェクトとはいえ、広告担当者以外とも連携をとる必要はあった。「機能別に担当を切り分けていたとはいえ、EC全体の目的を全員で共有していたからこそ、いきなりのことに戸惑うメンバーはいなかった。業務は完全に分担し、目的は徹底共有という仕組みが功を奏した」と石川氏は語る。

必要な時に必要な人材をアサインする時代

さて、今夏、広告運用のインハウス支援は成功裏に終わりそうだ。この後、ハートラスはディノス・セシールとどう向き合っていくのか。ゴールはハートラスが不在でも問題ない状態にすることだ、と高瀬は強調する。「継続的な取引を前提としては、インハウス支援は成立しない。インハウス支援がうまくいけばうまくいくほど、取引の終了は早まる」。

「アカウント単位で考えると、そういう帰結になってしまう。しかし、たとえば私がまた別のプロジェクトでインハウス化をしようと思ったらハートラスにお願いすることを考える。」と石川氏。

人材の流動性が高い現在だからこそ、クライアントからスペシャリストして信頼を獲得していく。その信頼の積み重ねを経て、今後も最も円滑に、最短期間でクライアントの状況や要望に沿ったインハウス化できる計画を、クライアントとともに立てていく。


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この記事のライター

Column by Heartlass 編集部

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