コンテンツ・マーケティングにおける「ツール」の現状と考え方~Content Marketing World リポート 第4回~

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Altimeter Group レベッカ・リーブ氏
前回と前々回のコラムでは、Content Marketing World 2014で特によく語られた4つのキーワード「ストーリー」「測定」「縦割り組織の克服」「ツール」の中から、「縦割り組織の克服」についてパム・ディドナー氏の講演内容のまとめ記事をお届けしました。
今回は最後のキーワード「ツール」について、テクノロジーに特化したリサーチ/コンサルティング会社 Altimeter Groupの著名アナリスト、Rebecca Lieb氏が語った内容をお届けしたいと思います。(補足のため、彼女がカンファレンス以外で語っている内容も交えてお届けします。)
まず、彼女は次のように言っています。「コンテンツ・マーケティング・ツールの現状は、混沌としており、急速に進化・変化しており、非常に一貫性を欠いている。マーケターは、ただ自分達のマーケティング・ニーズのためだけでなく、事業、業務プロセス、プラットフォームと融合した、正しいツールを選ぶために悪戦苦闘している。」
その上で、コンテンツ・マーケティング・ツールのニーズ(提供価値)を下記の8つに分解し、解説しています。
Source: Altimeter Group
■供給
1. Creation コンテンツ作成
- 一貫性のあるコンテンツを開発、構築、展開するのを助けるツール
2. Curation&Aggregation 整理・要約/集約
- ブランド自体、あるいは関連するキャンペーンに対して意味のある形で、既存のコンテンツの発見、蓄積、整理、表現、公開を助けるツール
■洗練
3. Optimization 最適化
- コンテンツ・マーケティングの結果を継続的に最適化していくためのツール
4. Analytics 分析
- しばしば独自の分析機能やダッシュボードを持つ、独立したベーシックなWebアナリティクスのパッケージ群や、コンテンツ・ツール群。それぞれが幅広い領域をカバーしており、ツールごとに一貫した強みを持つ
5. Audience&Targeting オーディエンス/ターゲティング
- ターゲット・オーディエンスは誰で、オンライン上のどこにいるか、また、彼/彼女たちを惹きつけるコンテンツの種類を特定するのを助けるツール
6. Distribution 流通・拡散
- コンテンツ・パブリッシャーが、自社サイトやソーシャル・ネットワーク上で、(例えば提案されたヘッドラインやストーリーを通じて)オーディエンスを発見・リーチするのを助けるツール
■統制
7. Workflow ワークフロー
- ガバナンス・ドキュメント(スタイル、編集、ブランドについてのガイドライン)の作成やコンテンツ監査、コンテンツ作成、レビュー、承認、公開プロセス等を含む、コンテンツ戦略に関連したプロセスを助けるツール
8. Legal&Compliance リーガル/コンプライアンス
- ステークホルダーによるレビュー/承認およびコンプライアンスのためのツール
メディアの種類(オウンド/アーンド/ペイド)によって、必要となる提供価値は変わってきます。それを表したのが下の図です。
特定のメディアでしか必要ない提供価値がある一方、最適化や分析は、オウンド/アーンド/ペイドを問わず必要なものになります。
Source: Altimeter Group
上述のように、一口にコンテンツ・マーケティングのツールと言っても、実に様々な種類のものが存在します。このような状況の中で、自社が導入するべきツールをどのように判断すれば良いのでしょうか?
それには下記のステップを踏むことが必要である、と彼女は説きます。
————————————————————————————–
・コンテンツ・マーケティング・ツールに対する自社のニーズを明確化する
・既存のワークフローやツールと連携させるための前提条件を理解する(どんなツールも、それ単独では機能しない)
・上記の前提条件にマッチするベンダーやツールを見つける
—————————————————————————————
彼女の語っている内容は、基本的に米国を中心とする英語圏の市場を念頭に置いたものです。しかし、これまでもそうだったように、英語圏で起きていることは遅かれ早かれ、(形をやや変えつつも)日本でも展開すると考えられます。また、上記のツール選定におけるステップは、日本においてもそのまま当てはまるものです。
以上、5回に渡り、Content Marketing World 2014で特によく語られた4つのキーワードについてお話させて頂きました。コンテンツ・マーケティングを検討・実践されている皆様のお役に立ちましたら幸いです。
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