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「ボタンの色は○○色がいい」は都市伝説? ユーザー属性別の数値から分かった意外な事実とは

「ボタンの色は○○色がいい」は都市伝説? ユーザー属性別の数値から分かった意外な事実とは

photo credit: Capture Queen via Flickr cc

CROコンサルタントの田中です。

前回のCROコラム(第2回)では、ランディングページのメインビジュアル(メイン画像)を例に、ユーザー属性(セグメント)によってCVRの高い訴求内容が大きく異なること、また、セグメントごとに訴求内容を最適化することで、通常のABテストと比べてどれくらいCVRを改善させられるか、について書かせて頂きました。

今回は、業種・業界、国や言語を問わず、おそらく最も数多く行われているABテストの一つである「ボタンの色のテスト」についてお話させて頂きたいと思います。

ウェブマーケティングの業界で仕事をさせて頂いていると、しばしば耳にするのが「ボタンは○○色がいい」という話です。具体的に何色が良いかについては、文字通り「色々な」説があるのですが、それぞれの説に納得感のある理由が存在します。それもあってか、多くの企業様では、そういった「説」の一つに基き、ボタンの色を決められているケースが多いようです。

では、実際のところ、最もCVRが高いボタンの色とは、何色なのでしょうか?
結論から申しますと、CVRの高いボタンの色というものは存在しません。弊社では、これまでに100サイト以上のクライアント様の、200以上のボタンでテストを実施させて頂きましたが、サイトやページによって傾向は全く異なりますし、それ以前に、同じページでも、ユーザー属性(セグメント)によって勝ちパターンは大きく異なります

下記は、某人材系サイト様の求人詳細ページにおいて、DLPOというツールを用いて実施させて頂いた検証結果の概要になります。

 

オレンジ(元々のパターン。デフォルト)、青、緑、ピンクの4色のボタンでABテストを行いました。その結果、パターン2の青いボタンが、元のクリエイティブ(デフォルト)と比較してCVRが1.16倍と、最も高いことが分かりました(※)。

※上記の結果含め、当コラムでは、統計学上の信頼度(対デフォルト比での勝敗の確かさ)に基き、有意と見なされる検証結果のみ記載させて頂いております。

第2回のコラムを読んで下さった方は、既にこの先の展開を予想されているかと思いますが(笑)、上記はあくまでページに訪れたユーザー全体(平均)で見た結果であって、「全てのユーザーにとって」パターン2がチャンピオン、ということではありません。言い換えると、ユーザーの属性(セグメント)別に見ていけば、特定のセグメントにおいては異なる傾向が得られる可能性がある、ということです。

では実際に、上記のABテスト結果をユーザーの属性(セグメント)別に分解して見てみると、どのような結果になるのでしょうか?下記図表(2)に、前回と同様、それを示してみました。

 

上記は、DLPOで取得・分析できるセグメントの一部(抜粋)になります。ご覧頂くとお分かりになるかと思いますが、セグメントによっては、パターン2(青)以外のパターンがチャンピオンとなっており、かつ、各セグメントのユーザー群において、顕著に大きなCVR改善率となっています。

こういったテスト・分析を行った際、それぞれのページ/セグメントにおいて、なぜ○○色が勝ったのか、というご質問をよく頂きます(当然の疑問だと思います)。我々としてももちろん、そういったご質問に明確にお答えしたいところなのですが、色に対するユーザーの反応は、基本的に無意識下で行われているため、要因を完全に解明することは現時点では難しく、脳科学(神経科学)の今一層の進歩を待たなければならない、と考えています。

ただ、要因が分からないといっても、それは現時点の科学で解明できない、というだけのことです。統計的に明らかに差が見られるのであれば、セグメント別に最適化を行わない理由はほぼないのではないか、と我々は考えています。

なお、先ほどのサイト様では、上記の分析結果に基づいてセグメント別に配信の最適化を行うことで、CVRを全体で1.31倍に改善することが出来ました。(ユーザー全体での最適化(パターン統一)の場合は先述の1.16倍の改善率)

頂くことが多いもう一つのご質問は、サイトやページを問わず共通して見られる傾向は何か、という内容です。もちろん、ページ全体のトーンと似た色で「埋もれている」ボタンよりも、コントラスト的に目立ったボタンの方が全体としてCVRが高い、といった一般的な傾向は見られます(それにも例外が存在しますが)。ただ、ページ全体のトーンが何系なので、ボタンは何色が良い、といったような具体的な傾向は、我々がテストを実施させて頂いた100以上のサイトにおいて、ほぼ見られませんでした。

加えて、ボタンの色のテストは、最も簡単に実施することができる割に、最もインパクトが大きく出やすい施策の一つです(意外にも見落とされやすい事実ですが、コンバージョンした全てのユーザーはボタンを押したユーザーです)。そのため弊社では、CVR向上のお手伝いをさせて頂くほぼ全てのサイト様に、早い段階でのボタンの色テストの実施をご提案しています。

今回は、ボタンの背景色テストにおける事例をご紹介させて頂きました。次回は、異なるテーマで、CVR最適化の事例をご紹介させて頂きます。

この記事のライター

CroJa 編集部

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