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顧客分析の最適な手法とポイントは?①

顧客分析の最適な手法とポイントは?①

どの企業も売上を伸ばしていくために、目の前の施策をいろいろ実施していることかと思います。しかし、ただやみくもに施策を実施するのでは、その効果は半減することでしょう。現在、ターゲットとする顧客の動き、市場・競合の動きは非常に読みづらく、新しいデバイスや新しいメディア、アプリなどが頻繁に登場し、ユーザーとのタッチポイントが刻々と変化する状況となっています。
そんな読みづらい状況だから、何も考えずただ施策を行うというわけではなく、そんな状況だからこそ3C分析をしっかり行い、細かくPDCAを回していくことが重要です。
今回はまず3C分析の中でも「customer(顧客)」に焦点を当てた分析をご紹介します。

BtoCの店舗、ECだけでなく、BtoBを含む全ての企業は例外なく顧客が存在するため、顧客をしっかり知ること、顧客を分析することは自社商品、自社サービスを正しいターゲットに正しく届けることが出来、リピーターになってもらうには何が必要か、などを把握するヒントになります。

この記事では、下記について解説していきます。

・顧客分析とは何か?
・顧客分析の目的、ポイント
・顧客分析に使う分析手法、フレームワーク
・顧客分析の実施方法

顧客分析とは

それでは顧客分析とはどういった分析なのかという点について説明します。
顧客分析は、自社のサービスや商品を利用する顧客のことを深く知るために行う分析になります。具体的には自社の商品やサービスを利用、購入した顧客がどのような層であるのか、またどのような購買行動によるものなのか、さらにはその行動はどういう顧客のインサイトによるものなのか、を分析することです。

実際に顧客へ調査を実施し、既存データをフレームワークに当てはめ、別の角度から考えることです。

顧客分析の目的を忘れず、ポイントを抑える

顧客分析は顧客を知る上で非常に有効な手段です。しかし、何のために顧客分析を行うのか、という目的をちゃんと理解することが重要です。
顧客分析は有益なデータを得ることが目的ではありません。有益なデータを把握し、目的とする売上増加や業績アップをするための施策を考えることです。あくまでもデータはデータなので、そこから本来の目的に向かって何を考え、何を行うか、が最も重要になります。

顧客分析を行う上でのポイントは3点あります。

一つ目は前述した通りで目的とする業績アップや売上増加のために行うということ。このポイントが最も重要です。しっかりと現状を把握し、そこから適切なマーケティング施策を立て、PDCAを回していくことで費用対効果の高い施策に注力していくことができ、ROIの最適化も実現できます。

二つ目は現状の顧客を把握するということ。自社のどの商品、どのサービスがどういった年齢層で、どういった趣味嗜好を持った顧客が購入、または使用しているのか、という定量的にもわかるデータはもちろんですが、どのようなインサイトを持っている顧客に対し、現在行っている施策はどういった体動変容を起こすことが出来たのか、そして結果的にアクションを行った、もしくは行わなかったのか、それはなぜなのか、など定量では測れない顧客の状況を把握することになります。

三つ目は現状の施策の評価を正しく行うということ。現状実施している施策に対して、何がどのようにうまくいっており、どの点がうまくいっていないか、などを正確に把握し、次の施策に活かすことが重要です。

顧客分析の目的と何が出来るのかという重要なポイントを押さえておきましょう。

一般的に顧客分析に使用される分析手法とは?

顧客分析には様々な手法があります。どのような手法があるか把握するだけでなく、各手法にはどのような特徴があるのかも把握してきましょう。
それでは、顧客分析の代表的な3つの手法について紹介していきます。

顧客分析手法 1.RFM分析

RFM分析とは「Recency(直近購買日)」、「Frequency(購入頻度)」、「Monetary(購入金額)」の3つの指標で顧客を並び替え段階的に分け、顧客をグループ化した上で、それぞれのグループの特性を知り、マーケティング施策を実施する手法です。指標としてRecency(直近購買日)が入っているため、この後紹介するデシル分析のように過去に一度だけ高額商品、高額サービスを購入、利用した顧客と、最近少額ではあるが、多く商品を購入、またはサービスを利用してくれる顧客が同一グループに入ることはなく、明確に分けて分析できることが特徴です。

各項目の概要と基本的な評価について説明します。

■Recency(直近購買日)
顧客が直近で購入した日付で顧客群を分ける軸になります。購入データ内の購入日時を見て、各顧客を適切な顧客群に分けることがポイントです。分ける際のポイントはRecencyを分布図にした際に、一定の規則性がある期間(例えば年間トレンド)や重要な社会的変動要素があった事象の前後の期間で区切ることが良いかと思います。
基本的な評価は最近購入した顧客の方が何年も前に購入をしたことがある顧客より良いという評価になります。

■Frequency(購買頻度)
顧客がどの程度頻繁に商品、サービスを購入してくれたかで顧客群を分ける軸になります。購入データ内の顧客の購買履歴を見て、過去の購買回数が多い順番に並び替えを行い、分析を行います。一般的には購買回数が多い顧客が企業にとってはポジティブな顧客になり、既存の商品、サービスで満足を与えている顧客群と考えることができ、一方購入回数が少ない顧客群は何かしらの理由(サービスレベルや料金など)で満足できていない顧客群と想定されます。商品、サービス特性にもよるので一概には言えませんが、自社のサービスだけで良い悪い、を考えるのではなく、近いサービスで適正な回数を考えると良いと思います。

■Monetary(購買金額)
顧客がどの程度該当する商品、サービスに金額を投下しているかで顧客群を分ける軸になります。購買履歴から顧客ごとに合算購入金額を算出し、金額の多い順に並べ、分析を行います。一般的には購入金額が高い顧客が企業にとってはポジティブな顧客になりますが、その購入金額合計の中身を見ることが重要です。購入頻度が多く、購入金額が高いのか、購入頻度は少ないが、高い商品、サービスが販売できており、購入金額が高いのか、など様々なケースがあるので、他の軸と組み合わせて分析を進めると企業の現状の本質が見えてくると思います。

次に具体的な例を見てみましょう。

具体的な分け方の例を表1に記載していますが、表1のように各Recency、Frequency、Monetaryごとに適切な区切りを入れ、分けるようにしましょう。厳密に分析を行うと表1のケースでは1項目5通りの3乗で125通りの分け方がありますが、125通り全て分析を行うのは大変だという方は表1にあるように15通りのクラスターに分けて、傾向をつかむという方法でも良いかと思います。

表1.RFM分析の事例RFM分析の事例

では具体的にどう活用するのかをご紹介します。3次元で考えるとわかりづらいと思うので、今回のケースは低価格の日用品と仮定し、Monetary(購入金額)よりもRecency(直近購買日)、Frequency(購入頻度)が重要だという前提として2次元で考えます。この場合も3次元と同様に顧客を各軸に適切なまとまりで分類します。さらにその上でまとまった傾向が見えるグループに分け考えてみます。仮に表2のようなグループに分かれたとして、その後考えるべきポイントは下記です。

・各グループの特徴把握
・グループごとへの優先度付け
・グループごとに理想は次にどのグループを目指す(遷移させるか)のかを決定

各グループが新規顧客なのか、常連なのか、常連から離反しつつある顧客なのか、などどういう特徴があるグループなのか、を把握し、全て一斉に対策を行うのがリソース的に難しい場合は、優先度をつけましょう。例えば常連から離反しつつある顧客のボリュームが多いので、ここをまずは対策するなど優先度を決めます。その後、施策を行うと決定したグループに対して、理想は次にどのグループに遷移させるのかを決め、必要な施策を検討していくという流れになります。

表2.RFM分析の事例(2次元)RFM分析の事例(2次元)

上記のように非常にわかりやすい分析ですが、各軸で顧客を分けるベストな箇所を探すのが難しいかもしれません。その場合は実際に顧客の分布図を作り、起きた事象などを並べていくと、どこで区切れば良いか感覚的につかめてくるかと思いますので、是非チャレンジしてみてください。

顧客分析手法 2.デシル分析

続いてデシル分析をご紹介します。そもそも「デシル」とはラテン語で「10等分」という意味です。そのため、デシル分析とは、全顧客を10等分し、10等分した各グループの顧客の特徴を分析する手法になります。

では実際にどのように進めていくか紹介します。方法は非常に簡単です。
ある一定期間の顧客購入金額のデータから購入金額の多い顧客順に並び替えを行います。その後、総数を10等分し、各グループの購入金額の合計を算出、各グループの購入金額が購入金額合計に対して、何パーセントの割合になるかを計算します。最後に上位のグループから累積でどの程度の割合になるかの指標である累積購入金額比率を算出し、完了になります。完了すると表3のようにまとまります。

具体的な活用方法について紹介します。出来上がった表から全体の購買状況を把握し、グループを区切り、グループごとにマーケティング施策を決めていくことが良いと思います。例えば表3をわかりやすく総数1000人に対してデシル分析を行っているケースと仮定すると、上位200人で約60%の売上を上げており、上位400人で80%以上の売上を上げている状況になります。いろいろな考え方がありますが、例えば、上位201から上位400人のグループであるデシル3、4に対して、理想とするグループであるデシル1、2に上げていく施策を考える、といった活用方法が良いかと思います。グループとしての塊の購買状況を把握し、どのような施策を打つか、という分析に向いている分析手法になります。

最後にデシル分析の注意点ですが、分析の軸として時間軸の概念がないので、長い期間のデータを対象にすると、かなり古い高額購入者のデータも混入することになるので、直近の顧客傾向を見るうえでは余計なデータになるかと思います。抽出する際に期間を直近数ヶ月にするなど期間を限定して分析を始めるとよいでしょう。そういった点ではRecency(直近購買日)の軸があるRFM分析が長けているといってよいかと思います。デシル分析の良さは簡単に顧客をグルーピングし、傾向を測ることが出来ることが良さなので、期間を限定して大まかに購買状況を把握したい場合は非常に活用できる分析手法になります。ぜひチャレンジしてみてください。

表3.デシル分析の事例デシル分析の事例

顧客分析手法 3.CTB分析

CTB分析とは、「Category(分類)」「Taste(テイスト)」「Brand(ブランド)」の3つの指標で顧客を分類する方法になります。特徴は、今後顧客がどんな商品を購入するか高い精度で予測することが出来るという点になります。
各軸の説明をすると、Categoryはメンズ、レディース、子供、食品、家電などの大カテゴリや、インナー、アンダーウェア、靴、生活家電、肉類、調味料などの中カテゴリ、さらに細分化した小カテゴリを用います。テイストはデザインやサイズという意味合いなので、色、模様、形、サイズなどが含まれます。ブランドにはいわゆる各商品のブランドやキャラクターも含まれます。この3つの軸で分けたグループにどのような顧客特性があるのかを把握する分析手法になります。

では実際にどのように分析を進めていくか紹介します。
保有している商品を上記Category、Taste、Brand の3つの軸で分けます。例えば、Categoryはメンズのトップス、TasteはMサイズ、黒色、長袖、BrandはNIKEといった具合になります。その後、選定したCategory、Taste、Brandのグループに当てはまる商品を特定し、グループに当てはまる商品の購買データを付け合わせ、各軸で分けたグループに対して、どの程度の顧客がどのくらい購入しているかというデータを作成します。そこから同じグループの顧客は他にどういった商品を購入しているのかを把握し、グループの趣味嗜好を特定するという流れになります。
このように分析することで、グループごとにどのような商品に購買行動を起こしやすいか、何をプロモーションすればよいか、が把握可能になります。

実際に進める場合、POSデータから商品情報を事前準備しておくことで、趣味嗜好を加味した通常の分析からは導き出せない結果が示唆されることがあるので、ぜひチャレンジしてみてください。

おわりに

ここまで一般的な特にBtoCの事業展開をされている企業向けの顧客分析手法と説明してきました。
広告代理店が行う顧客分析で必要なことに関しては次記事で紹介させていただきます。

Next >> 顧客分析の最適な手法とポイントは?②

この記事のライター

植松和彦

植松和彦株式会社ハートラス

執行役員

2008年に株式会社オプト(現 株式会社デジタルホールディングス)に入社。その後クロスフィニティ株式会社にてSEOコンサルティング、アフィリエイトコンサルティング、インフルエンサーマーケティング、SNSコンサルティングに従事。その後、新規事業開発の責任者としてメディアやアプリの立ち上げを行い事業推進を経験。2020年に株式会社ハートラスに入社し、セールス、トレーディングデスク、ウェブコンサルティング、マーケティング室と幅広く管掌。

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